マンションや戸建て、不動産売却の「即時買取」と「買取保証」。
マンションや戸建てなど不動産売却の際に「買取」というシステムがあります。多くの不動産売却については不動産会社と媒介契約を結び売却を進めるものだと思われています。しかし不動産売却には「買取」と「仲介」があります。
そして「買取」にはすぐに不動産会社に買い取ってもらう「即時買取」と一定期間売却活動はするが万が一売れなかった場合、買取会社が買い取るという「買取保証」があります。
「買取」と「仲介」の違い
「買取」は主に不動産買取を専門とした企業や不動産会社が物件を直接買い取ります。すなわち買主は不動産会社になるということです。
一方、「仲介」は不動産会社と媒介契約を結び買主(エンドユーザー)を探します。こちらの場合は買主は個人または不動産業者以外の法人となります。
「買取」と「買取保証」の違い
実は「買取」には「即時買取」と「買取保証」の2種類があります。
「即時買取」とは、不動産会社に即時で買い取ってもらうシステムです。この場合、即時に買い取ってまらえる分、買取価格は安くなります。
それに対して「買取保証」は一定期間を設けて、それでも売れない場合買取会社が「買取」という方法をとります。一定期間は売却活動をしますので、「即時買取」に比べて少し高く売れる可能性があります。
「買取」のメリットとデメリット
不動産の売却では、ほとんどが仲介を選択することがほとんどです。売主側の立場で考えると買取は仲介に比べて売却価格が安くなる傾向があるからです。
●買取のメリット●
☑短期間で売却ができ、現金化ができる。
仲介での売却活動を考えた場合、一般的には3か月前後、長い場合は半年以上かかることもあります。「買取」の場合、不動産会社が基本的に即決しますので1か月以内での売却、現金化が可能です。
☑瑕疵担保責任が免除される。
不動産を売却した場合、瑕疵担保責任が課せらることがほとんどです。瑕疵担保責任とは物件売却から一定期間(売買契約書による)に欠陥が見つかった場合、売主がその欠陥を修復しなければならない・・・という義務です。欠陥の具合によっては修復費用が100万円を超えることもあります。
「買取」の場合はこの瑕疵担保責任が免除されることがほとんどです。
☑資金計画が立てやすい。
住み替え等で新しい物件を購入したいと考えていたり、事業資金にしたいと考えている場合、売却価格をあらかじめ認識していると資金計画がたてやすくなります。しかし、注意してください。「基本的に不動産売却は住宅ローンの完済が前提」になります。
売却価格がローン残高を下回っていると差額を補填しなくてはなりません。
☑買主探しの内覧が不要。
不動産は一生の買い物言われています。購入する場合は必ずと言っていいほど「内覧」を行います。しかし「買取」の場合、不動産会社が一度内覧するだけですので「内覧」によるストレス負担が少なくなります。
☑近隣に知られることなく売却ができる。
不動産売却を「仲介」にした場合、宅建業法によりREINZ(不動産業者間の物件情報サイト)に掲載をしなければなりません。また、不動産会社のホームページやSUUMOなどの不動産ポータルサイトにも物件情報が掲載されます。場合によっては、新聞折り込みチラシやポスティングチラシなど販売活動を行いますので近隣の人に売却しようとしていることを知られてしまう可能性は高くなります。「買取」の場合はこのような販売活動は行いませんので近隣に物件売却を知られることはほとんどありません。
●買取のデメリット●
☑市場の相場価格よりも買取価格が安くなる。
「買取」の売却価格は「仲介」による売却に比べ安くなる傾向があります。これが買取を選ばない一番大きな理由です。 「仲介」による売却の場合、エンドユーザ―である買主地震が住むために購入することがほとんどです。リフォームを行うかは、買主次第です。
これに対して「買取」の場合は、買取した不動産会社が買い取った物件をリノベーションやリフォームをして付加価値をつけてから、再販売することが主流です。その為、再販売をした際の販売価格からリフォーム費用、仲介手数料、不動産会社が金融機関から融資を受けた場合の事務手数料などの諸経費、粗利益といった費用を差し引いて買取価格を決定します。目安とするのは相場の市場価格の60~80%程度です。(売却価格が3000万円の物件であれば買取価格は1,800万円から2,400万円)
☑買取では不利になる物件条件がある。
買取した不動産会社の利益の捻出方法は「物件を安く仕入れてリフォームをし再販売する」ことです。そう考えると、築年数の浅い一戸建てやマンションなどの物件はリフォーム要素が少ないため、「仲介」による不動産売却を利用した方が高く売却ができる可能性が高くなります。
土地の場合は敷地面積の制限等があり分割ができない、分譲地エリアで法規制や近隣との取り決めがあるなど条件が厳しい場合は再販商品にする目途がたたず金額がつきにくいまたは断られる場合もあります。
まとめ
不動産を「買取」してもらうにしてもメリット・デメリットがあることはご理解いただけたと思います。不動産売却を「即時買取」か「買取保証」にするかはケースバイケースです。大事なことは不動産会社があなたの状況を理解し一番最善の方法をアドバイスしてくれるかです。
「不動産は同じものは2つない」ということを理解して、なぜ提示された金額なのかを具体的に説明でき、その金額より高くするための条件などしっかりと説明してくれる不動産会社の担当を探しましょう。